『雨のことば辞典』倉嶋厚・原田稔編著
『雨』にまつわる言葉を集めた文庫になります。


一口に雨といっても、その表情は様々。
豊かな日本の自然、言葉、暮らしを堪能できる一冊となっています。


多くの小説、俳句、絵、映画、歌に登場しますが、どんな雨か細かく伝えることでより鮮明に情景が思い描けるのでは、と思います。
宇多田ヒカルさんの『桜流し』という曲のタイトルも、雨にまつわる言葉ですね。
『伊豆の踊子』の書き出しにも雨の言葉が登場します。


あまり難しい言葉を使うと浮いてしまいますが、豊かな表現を知ることで憂鬱な雨の日も楽しめそうです。


雨の景色がある小説や絵、映画が好きなのです。
そのときにどんな雨なのか名前がわかっていると、より楽しめると思います。



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201602242340
『ABC殺人事件』アガサ・クリスティー著
名探偵ポワロの元に届いた一通の挑戦状。
やがてその予告は現実となり、Aが頭文字の街でAで始まる名前の人物が殺されます。そしてそばにはABC鉄道案内が置かれていた……そんな事件から始まる物語です。


ポワロシリーズの中でも、好きな作品です。
二重の知性が見え隠れするあたり、ぞくぞくします。
人間の心理をうまくとらえてるなと感心します。


犯人が捕まったと思ったら終わりではない。でも、言われてみれば確かにぴったり当てはまる。そうきたか! という驚きと、アガサらしい快い裏切りがあります。


殺人事件の内容としては残酷です。
手をくだした殺人はもちろん、心の弱みをついて、そして巻き込んで、人生を狂わせようとしたことは尚更です。
アガサのすごいところは、流血シーンやグロい場面がなくてもそういった残酷さ、怖さ、狂気を映し出せるところだと思っています。


動機はシンプル。だけど、その構成は複雑。そういったメリハリのある骨組みの上に、人間の心理やコンプレックス、観念という肉付けが素晴らしいのです。


肉付けなんですよね、難しいのは。
特にこの作品は犯人の性格や心理、人生の背景など、そういうものがしっかり反映されています。
もっとも、他のキャラクターだって、すぐに名前を覚えてしまうほどしっかり個性があるんです。
考えてみればそれは自然なことなんですよね。人間と人間のやりとりがあってドラマが生まれ、その果てに事件が発生するんですから、薄っぺらい人間像では動いてくれないのでしょう。


ちなみに、ウイスキーの『ホワイトホース』がちらっと登場します。
以前これを読んだときはウイスキーなんて飲んだことがなかったのですが、今は是非とも『ホワイトホース』を片手に楽しみたいですねぇ。
ちなみに黒澤明監督が愛飲したウイスキーとしても有名です。




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201602210117
『シャーロック・ホームズの回想』コナン・ドイル著
『シルヴァー・ブレイズ号事件』や『背中の曲がった男』そして『最後の事件』など11作品を収録したものです。


幼い頃は『回想』というタイトルにピンときていなかったんですが、あらためて読んでみると、なるほど回想ですね。
ワトソンが一緒に大活劇を繰り広げるというより、過去の事件を話してきかせるような、全体的にあっさり短い印象です。


コナン・ドイルが渋々書いていたという背景がそのままビシビシ伝わってくるにもかかわらず、事件はやっぱり面白いんですねぇ。
このトリックやネタでワトソンと冒険するような内容だったらまた違って見えたのかなぁとも思います。その点ではドラマ版のほうはちょっとドラマチックですね。


兄のマイクロフトが『ギリシャ語通訳』という作品で初登場しますが、兄とのやりとりも見物です。


それにしてもつくづく思うことは、小説にしろエッセイにしろツイッターにしろ書いた言葉からは自分が思う以上に性格や経験、感情など赤裸々に伝わってくるということです。
小説に対する姿勢すら伝わるんですから、文字というのは口にする言葉以上に侮れないですね。



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201602041915
| 猫草物語 |
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